朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「それにしても、A terraceでガーデンウエディングだなんて、よく思いついたわね!
花ちゃんが出産した時に初めて行ったけど、ホント、癒される素晴らしい空間だった」

「ああ。広いし、天候を気にしなくていいところも、最高だな。花のアイデアはすごいよ」

父も母も、花のA terraceを絶賛している。
実はここに来る前に、A terraceを見に行ってきた。

そこは、まさか病院の敷地内だとは思えないほど広く、緑豊かな温室だった。
屋根は開放出来るらしい。

このA terraceは、癒しそのものと言う感じだ。ここで毎日ランチが食べれる病院のスタッフは恵まれている。
parkside Aとは、全く違う空間だった。

既に営業は終了していて、明日のウェディングパーティーの準備がまさに始まろうとしていた。
ヘブンリーゲートブリッジホテルから来たスタッフが忙しく動き回っていた。

これを花が考えたのか……。
その素晴らしい空間を前に、俺は再び無力感に襲われていた。

やっぱり、花には敵わない……。
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