朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「太鼓橋と平行に並んでいる平らな橋から、太鼓橋をバックに撮るのよ。
あ、写真があったはずだわ」

撫子が素早く太鼓橋の前で撮った、打掛けと羽織袴姿の新郎新婦の写真を取りだし見せてくれた。

「おお! これは綺麗だなぁ」

「住吉大社は本当に人気なんですよ。
宜しければ紋付袴、試してくださっても」

「え! いいの!? 」

山根さんは大乗り気だ。

「青磁さんは? 」

「お兄ちゃんならブライダルファッションショーの打ち合わせに行ったわ」

なんだ、じゃあ今日は会えそうにないな。
時間が合えば晩飯に誘うつもりだったのに。

「あ、あの?
お兄ちゃんという事は、桐野屋さんの……」

「娘です。桐野撫子と申します。
この度は、我社と良いご縁をいただきありがとうございます」

「あの、あなたは京の……? 」

「加藤さん、幼馴染ですよ。
……コホン……常務秘書の朝倉泉の親友なんです」

「ああ! 京の彼女さんの親友か!!
いやぁ〜美人の友達は美人って本当なんですね!」

「えっ、あ、あの……」

珍しく撫子が顔を赤らめている。
ここまで正面切って褒められたら撫子でもそうなるのか。

いつもは毒舌なくらいハキハキ喋るし、俺から見たらキャラが全く違うんだけど。

でも、美人の友達……って、彼女を褒められるのは悪くない。
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