朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「葉子さん、遅くなってごめんなさい!」

「泉ちゃん、お久しぶりね!
お仕事お疲れ様。
皆んな奥にいるわよ」

「あのっ、真は……」

「え? あぁ、フフフ……もちろん来てくれてるわよ。和室にいるわ」

私は案内を待つのももどかしく、真の元へ向かった。

「真⁉︎ 大丈夫? 体調悪い?」

大広間と言ってもいいくらい大きな和室には、花ちゃんと赤ちゃん、祖父母に仁伯父様、そして私の家族がいた。
やっと現れた私が、なんの挨拶もせず真に話しかけたので、一瞬シンとなった。

「……いや、体調は悪くない」

「良かった〜。もう〜! 何があったのかと心配だったよのよ〜〜!」

と私が言った途端、皆んなどっと笑いだしたのだ。

え? どういうこと??

この場の雰囲気は決して悪くないようだけど……。さっきのはなんだったんだろう。

「泉ちゃん、スーツだと疲れるし、私の服で良かったら着替えて?」

花ちゃんが汗だくの私を気遣って話しかけてくれた。
そうだった。花ちゃんのお祝いに来てるのに、私ったら挨拶もせずに……。
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