朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「どうかしたのか? 」

スマホを片手に固まっていた私に、真が話しかけてきた。

「……これ」

私はメッセージをそのまま見せた。
読み進める真の顔色が変わる。

「……真、ナコから聞いてるよね?
姫の話」

「……」

「何とかならないのかしら。
ナコには全く関係のない事なのに……」

「クソッ…」

スマホを私に返し、エレベーターに向かおうとする真。

「ちょっと! 真、待ってよ!
どこに行くの!? 」

「幕張に行く」

「もう遅いわ。
今から行っても、ナコが休めなくなっちゃうじゃない。明日も朝から仕事なのよ? 」

時刻は既に22時だ。
明日まで待った方がいい。

「しかし、」

「良かった」

「は?」

「真が心配して、すぐに行くって言ってくれた」

「あ。
………泉、知ってたのか……」

「フフフ、ナコから聞いたわけじゃないわよ?
でも気づいちゃったの。
2人……会ってるのよね? 」

あえて「付き合っているのよね?」とは聞かなかった。
もし2人が付き合っているとお互いが認識しているなら、私と京に隠すとは思えないからだ。

でもここで大切な事は……。
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