朝倉家の双子、恋をします！〜めぐり来る季節をあなたと〜

全身に水化粧をし、肌に透明感を与える。
これは花嫁のメイクの基本だそうだ。
それからさらにベースを作り、遠目にも見えるようにつけまつ毛を付ける。
正直、つけまつ毛なんて初めての経験で、目に違和感が半端ない。
でも鏡の中の私は、かつてない眼力だわ！
髪はイズミになるため、ほぼ何もしない。元々髪型は同じだからだ。
ストレートのロングヘアをさらにアイロンで伸ばし、シャンプーのCMのようにツヤツヤに。

「泉ちゃん、前髪だけ少し切らせてもらっていいかしら？
あ、もちろん私、美容師の資格持ってるからね。安心して。
少し整えたいだけだから」

いつの間にか泉ちゃんになってる……。
でも、その方がなんだかしっくりくる。

「お任せします。
最近忙しくて美容室に行けてないんです。
前髪も自分で適当に切っちゃってたから」

「まぁ！
髪質がいいから許されることだけど、ちゃんと手入れした方がいいわよ。
もったいないわ〜」

ラッキーだな。
プロに切ってもらえるなんて。