朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「わああああああああぁぁぁ!!」

「な、なにっ!?」

「本物だ〜
泉が本物のイズミになった〜
しかも私、この距離で観てるのよ?
信じられないっ!! 」

撫子がまた壊れた。

「……ナコちゃんはそっとしておきましょう。
ちょっとメイクを直すわね」

さすが、亜希さんは全く動じないな。



「亜希さん?
どうしてここにいるの? 」


え?


声をかけられて振り返ると、そこに姫がいた。
もう既に衣装は身につけていて、プリンセスラインのふんわりと膨らんだドレスが可愛い。

「バンクロの一般枠のためよ」

「……!!
そのドレス……どうしてその人が着てるの? それはバンクロの目玉で、イズミのドレスなのに……」

「え……」

「達矢さん、これは試着できないって言ってたわ。私がそれ着たかったのに! 」

「これは泉のドレスです!」

「そんなことわかってるわ……どうしてあなたまでここにいるの?
相変わらず地味ね。なんなのその服。
オバサンにしか見えない」

ひどい!
誰のせいで撫子がこんな格好してると思ってるのよ!
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