朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「えっ!……い、泉??」

撫子が焦っている。
内緒のつもりだったからだろうけど、今はそんな話している場合じゃない。
このお姫様、説教してやる!

「撫子が地味ですって? 
ちゃんと良く見て。
どれだけ控えめな格好をしていても、撫子には隠しきれない品の良さがあるの。
いつも背筋がピンと伸びていて、着物を着た時の凛とした佇まいは誰にも真似出来ないわ。
それにね、常に周りをよく見ていて我慢強いの。
すっごくいい子なの!
そんな撫子に、あなた、自分が何をしたかわかってる?
撫子がどうしてこんな格好をしているか、言わなくてもわかるわよね?
誰かさんの嫌がらせで、年齢を上に見せるしかないの。仕事で迷惑をかけるわけにいかないから。
後先考えないで、SNSを操作するなんて愚の骨頂!!
深く反省しなさいっ!!!」

「……」
「……」
「……」

あ、言い過ぎた…
私がキレてどうするのよ…

「泉……」

「い、泉ちゃん……?」

「イズミ……イズミだわ。
え? ほ、本物?? 実写版?
あ、あなた本物のイズミなの?? 」

ん? この反応……
この目の煌めき……
撫子と姫を較べてみる。

…………同じ目!!

ひょっとして……。
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