朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「……真くんって……朝倉真……朝倉…
朝倉コーヒーか!
なんだ、朝倉コーヒーの跡継ぎだったんだ。
早く言ってよ」

「え……
あ、ああ、悪い。
ちゃんと自己紹介してなかった。
……ああ、朝倉コーヒーをいずれ継ぐつもりだ」

初めて言った。
家族以外の人に。
もう、自ら跡継ぎだと言えずに腐っていた、過去の俺とは違うんだ。
胸を張って、これからは認めて行くんだ。

「そっか……。
うん。君の言う通りだ。俺も、マンパワーって、めちゃくちゃ大事だと思ってる。
特に最後の、忠誠心ってやつ。
愛社精神は簡単に育つものじゃない。
会社に魅力があってこそだからな。
愛社精神の果てにあるものが忠誠心だ。
俺達はさ、小さい頃から名前を背負って生きてきているわけだから、愛社精神ありきなんだよ。
でもこれが社員にはなかなか育たないんだわ……。
社員との温度差が痛いと感じる時が結構あるよ」
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