朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
久しぶりに会った妹は、左の薬指にデザインリングをしていた。
久しぶりに会った親友も、同じ指輪をしていた。
元から反対するつもりなどなかったが、それを見て『ランウェイでプロポーズをする!』と言った親友の言葉に、素直に頷けたのは事実だ。

あれはいい。
俺のものだと主張するのに有効なアイテムだ。
まあそれに、こいつには虫除けが必要だ。
今すぐにでも。

「撫子も欲しいだろう? 」

少々強引か?

「欲しいっ! いいの?
え、真もはめるの?」

「ペアリングって同じ物を二人ともはめるものだろう? あいつらみたいに。
違うのか?」

「う、いや……parkside Aで指輪なんてしてたら大変な騒ぎになりそうだから……」

「……気づいてたのか」

「そりゃ気づくよ。
2回目に行った時から気づいてた。
真のファンクラブ。
入口入って右の、ふわふわのベンチシートがたまり場でしょう? ファンの皆さんの」

「……勝手に騒がれてるだけだ。
あれも客だから」
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