朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
【おまけ】真、初恋に敗れる
記憶に残る1番最初の京と俺たちとの思い出は、直径が身体の半分くらいはある、巨大なケーキを見たこと。
アルバムの写真を見る限り、ろうそくの数から、京の3歳の誕生日だったのだとわかる。
俺は随分と小さい頃からの記憶があるということだ。
いや、あまりに衝撃的な出来事があったため、その日の記憶だけが鮮明に残っているのかもしれない。
三歳児にしてはチビな京の前に、その巨大すぎるケーキがあった。現実のものとは思えなくて、食べるケーキは他に用意されているのだろうと思ったのに、京がケーキのヘリにかぶりついたのを見て本物だと気付いたのだ。
三歳児とはいえ、皆んなで食べるケーキにかぶりついてはダメだろう。
しかし、その様子を見ていた妹の泉は目を輝かせて「いずみも〜〜」と言って、周りの笑いを誘ったのだ。
なるほど、三歳児がケーキにかぶりつく行為は、失敗ではなく、微笑ましいものなのかと、京より少し前に3歳になった俺は思ったものだ。
俺が、無邪気な京と妹のように振る舞えないのは、もうすでにその頃から始まっていたのだ。
アルバムの写真を見る限り、ろうそくの数から、京の3歳の誕生日だったのだとわかる。
俺は随分と小さい頃からの記憶があるということだ。
いや、あまりに衝撃的な出来事があったため、その日の記憶だけが鮮明に残っているのかもしれない。
三歳児にしてはチビな京の前に、その巨大すぎるケーキがあった。現実のものとは思えなくて、食べるケーキは他に用意されているのだろうと思ったのに、京がケーキのヘリにかぶりついたのを見て本物だと気付いたのだ。
三歳児とはいえ、皆んなで食べるケーキにかぶりついてはダメだろう。
しかし、その様子を見ていた妹の泉は目を輝かせて「いずみも〜〜」と言って、周りの笑いを誘ったのだ。
なるほど、三歳児がケーキにかぶりつく行為は、失敗ではなく、微笑ましいものなのかと、京より少し前に3歳になった俺は思ったものだ。
俺が、無邪気な京と妹のように振る舞えないのは、もうすでにその頃から始まっていたのだ。