朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
小さい子に聞く質問として、それはどうなのかな? とは思ったが、問題はそこじゃない。

なぜだ? なぜその二択? 
そこに俺、真は入らないのか?

そう思ったが黙っていると、泉がこう言った。

「まこちゃん、いずみはね、しんとけっこんするんだよ」

ナイスだ、泉。
そうだよな。
いつも家でもそう言ってるもんな。

しかしまこちゃんは容赦なかった。

「泉、何言ってるんだ。
泉と真は双子で血の繋がった兄妹だから結婚は出来ないんだぞ? 
妹と結婚出来るんなら、とっくの昔に俺は愛と結婚してるぞ?」

……なに? 
今なんて言った?

「もうっ! まこちゃんったら〜。
子供達に何言ってるのよ〜。
紫ちゃんごめんね〜?」

「気にしないで。この人のシスコンは今に始まったことじゃないでしょう」

まこちゃんの発言をまこちゃんの奥さんである紫(ゆかり)伯母さんに謝る母。全く気にしていない伯母。
いや、母よ。問題はそこじゃない。前半の方。

「え〜? 
いずみ、しんとけっこんできないの? 
おかあさん、ほんとう?」

泉はいつも家で
「大きくなったら、しんとけっこんする!」
と言っていた。もちろん俺もそのつもりだった。

母も「いいわね〜」と言って、ニコニコ聞いていたはずだ。

「愛、お前ちゃんと事実を子供達に教えないと」

「あ〜……うん。
泉、そうなのよ。兄妹では結婚できないの」

「ええ〜〜?」

「その点、従兄は結婚できるぞ? 
優はどうだ? 泉が嫁に来てくれたら、まこちゃんは嬉しいぞ?」

なんとも締まりのない顔で、デレデレとまこちゃんが言う。
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