朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
父にはいつも言われていた。

「お前は一人っ子だからか……。のんびりしてるよな?」と。

そうだ…今ならその意味がわかる。
俺は出遅れた。
もっと早く前に進むべきだった。

でも、今更過去には戻れない。
だからと言ってこのままではダメだ。
泉にちゃんと言わないと!

そう思ってすぐに学内を探したけど、泉は帰った後だった。
電話にも出ない。

いつも真と帰るはずだからと、真に連絡を取った。でも、真を待たずに帰ったみたいだった。

焦った。泉が今何を考えているのか……。
ちゃんと確かめないと。

ずっとずっと、好きなのは泉だけなのに。
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