朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「今日、そんなに寒いの?」

「ううん。季節外れの陽気よ」

「……」

環が自分の首元をトントンと指しながらニヤっと笑う。

「家族旅行になんの牽制だか……。
タレ目のワンちゃん、ちゃんと躾けなきゃだめよ?」

「……!!」

マジか……なんで付けるかな……。
環の言う通りだ。一体何を牽制してるのやら。

京の考えていることは大体わかるけどね。
……無意味だ。

「タートルね……。はいはい。
一気に目が覚めたわ」

「ならソレも効果あるじゃん」

早く降りてきてね〜、と言って環がドアを閉めた。

姿見に全身を映すと、あり得ないことに首元に赤いシルシが3つ。

「これ、タートルで隠れるの?」

愛し合った後、一瞬意識が飛んだ。
あの時だな……。
盛大にため息を吐く。
まったく、もう〜〜っ!!
環に言われなかったら、このまま下に降りていくところだったわ。
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