朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「そう? じゃあ俺の分だけでいいな、補助イス」

そう言って1人分の木製チェアを持ってきた。

「ランチは全員パスタランチにしたから。
あと、宣にだし巻きサンドを追加した。
宣は足りないだろ?」

「マジ? 腹減ってたんだ」

宣が嬉しそうにしている。
我が家の男子は皆同じ体型。お父さんと同じ長身痩躯だ。でも痩せているのに意外と食べる。まだ高校生の宣にはカフェ飯は物足りないだろう。

「真、ラテアート上手くなったな」

「ホント! いつの間にあんなに上達したの?」

確かに。夏休みに帰ってきた時、家でも練習していたけど、なかなか上手く描けなかったのだ。半年でかなりの進歩だ。

「佐々木店長に教えてもらった。何度も練習に付き合ってくれて」

「ああ、佐々木さんは社内ラテアート大会2位の実力だからな」

「へぇ〜! 店長さん、すごいのね!」

「じゃあ、あの店長さんより上の人がいるの?」

環の疑問は私も思った。
1位の人って、すごいんだろうなー。
< 88 / 517 >

この作品をシェア

pagetop