愛するあなたへ〜blue roseを私にください
疑問に思いながらも、社長の背中に頭を下げ、社長室を出て行った。

社長に言われた資料を印刷、セットして、漏れがないかを確認し、社長室に持って行った。
「社長、こちら10部セットしました。確認をお願いします」
社長は資料を確認して
「ありがとう。大丈夫だよ」
「では、失礼します」
ほっとして戻ろうとすると
「曽根くんの仕事、大丈夫だった?楽しそうに話もしていたし」
「はい、丁寧に教えていただいて、今週の金曜日、お食事にも誘っていただきました」
「そうか。日比野さんのこと、気に掛けてるんだね」
「コンサル部の人とは、なかなかお仕事とかお話する機会がなかったので、色々お話聞いて勉強します」
「そう。もういいよ。ありがとう」
一礼し、社長室を後にした。
「社長、疲れているのかなぁ」
言葉のわりには、声のトーンが凄く冷たく感じた。

曽根さんとの約束の金曜日、夕方になって社長に呼び出された。
「日比野さん、今日、この書類を仕上げたいんだ。これ入力と簡単な作業、手伝える時間ある?」
今日は曽根さんとご飯を食べに行く約束の日なのに・・・
「社長、今日の仕上げですよね?」
「あぁ。あっ、そうか、今日は曽根と食事だったな。いいよ、他の人に頼むから」
社長が書類を取ろうとした。
「だ、大丈夫です!私にやらせてください!」
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