愛するあなたへ〜blue roseを私にください
社長の仕事を通して、色々経験させて貰えるチャンスを、人にやってもらうのは嫌だった。
「いいんだよ、無理しなくて、約束してるんだろ?」
「行けたらって話してましたので、また今度にしてもらいます」
「じゃあ、分からないところがあったら社長室に来て」
結構な量だ。きっと食事には行けない。

「曽根さん、すみません、社長の仕事が急遽入りまして。今日残業になりそうなので、今度誘ってください」
「ちぇっ、楽しみにしてたのに社長は。仕方ないよ。じゃあ、また今度ね!」
曽根さんは、嫌な顔をせず、受け入れてくれた。

そこからは、集中して社長の仕事に取り組んだ。
資料を見るだけでも楽しい。
こんなに色々と考えて、お客様に喜んで貰えた時、どんな世界が見えるんだろう。

集中して気がつかなかったけど、残っているのは私だけだった。
「どうしよう、社長、待たせてしまって」
どう進めていいか分からないところを、社長に確認しに向かった。

「社長、遅くなっていてすみません。お時間いいですか?これはどうしたらいいでしょうか?」
「あぁ、気にしないで。そこに座って」
私はソファの前のテーブルにパソコンを置き、社長は私の隣に座った。
「どこ?」
「このデータのこの部分ですけど」
「あぁ、これはね・・・」
社長がパソコンを見て、手元の資料を見ながら、説明してくれた。
ち、近い・・・
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