愛するあなたへ〜blue roseを私にください
曽根さんにも同じように教えてもらったけど、社長との距離が近くなると、胸の鼓動が高まる。
「これで一度やってみて」
社長に教えてもらった通りに、パソコンの入力をしていると
「ちょっと待って、ここはこうして・・・」
社長の体温を感じるくらい近い。
私ったら、こんなにも社長を意識してしまう。

「ありがとうございます。自分の席に戻ります」
「遅くなったね、皆はもう帰ったの?」
「はい、すみません、私が遅くてお待たせしまして」
「俺が急に頼んだからね。でも助かったよ。後は俺がするから、帰っていいよ」
「いえ、やります。やらせてください」
「なら、ここでしなよ。電気もここだけで済むから」
「はい」

社長室には、パソコンを叩くキーボードの音だけが響く。
「もう、こんな時間か。帰ろうか。送るよ。今日は車だから」
「でも、まだ残ってまして・・・すみません」
「いいよ、後は俺がするよ」
「それに、回り道にならないですか?」
「大丈夫だよ。それと何か食べて帰ろうよ」
社長と食事に行って、家まで車で送って貰う?
考えただけで、胸がどきどきしてきた。

「お腹空いたね。先に近くで軽く食事してから、車で送るよ」
夜、社長と一緒に外を歩くのは初めてだった。
彼女さんとは、どんな話をして街を歩くんだろう。
腕を組んで歩いてるのかな・・・
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