愛するあなたへ〜blue roseを私にください
その週の金曜日、ようやく約束していた曽根さんと一緒に、食事に行くことが出来た。
「日比野さん、色々助けてくれてありがとう」
「こちらこそ、沢山教えてもらえて嬉しいです」
「ほんと?良かったぁ」
曽根さんは、大学を卒業後、会計事務所で働いていたが、コンサルの仕事をメインでしたいと思い、翔羽に入社して2年になるそうだ。
色々大変だったけど、今は1人で任されることも多くなり、コンサル部はどんなことをしているかなどを教えてくれた。
「曽根さんて、26歳くらいですか?」
「そうだよ、日比野さんも?」
「はい、私もです。同級生ですね」
曽根さんと楽しく食事をする時間は、あっという間に過ぎていった。

「曽根さん、今日はありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとう。家の近くまで送るよ」
「いえ、1人で大丈夫ですよ」
「じゃあ、気をつけて帰ってね。また誘うよ!お疲れ様」
「お疲れ様でした」
久々に年代の近い人と話したから、とても楽しかった。
思い出しながら家に近づくと、1台の車とすれ違った。
「あれっ?」
振り返って車を見たけど、直ぐに曲がってしまった。
「今の車、社長の車に似ていたようだけど・・・まさかね」
社長がいるわけでもないのに、私、何考えてるんだろう。
足早にマンションへと入って行った。
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