愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「そんな訳ないですよ。もちろん人としては好きですよ。仕事に対する姿勢も、人としても尊敬していますし、憧れです」
本当のことを言って、社長の耳に入ったら、翔羽にいることができなくなる。
気持ちを悟られないようにしないと。

「そうなんだ。なら良かった」
曽根さんが小さな声でささやいた。
「僕、日比野さんのこと、好きなんだ」
突然の告白に返す言葉が出なかった。

曽根さんは明るいし、優しいし、見た目もアイドル系の容姿だ。
私には勿体ないくらいで、告白されたなんて周りの人に言ったら、うらやましがられると思う。
でも、私の心には既に他の人がいる・・・
「曽根さん・・・」
「あっ、今、返事が欲しいとかじゃないんだ。考えて欲しい。ごめん、突然で・・・」
「いえ、あの・・・」
「仲のいい友達からでいいんだ」
どう答えようかと迷っていた時
「お疲れ様。まだ終わりそうにないのか?」
社長室から社長が出て来た。
「いえ、僕はもう帰ります。じゃあ、日比野さん、さっきのことはまたゆっくりと」
「は、はい、お疲れ様です」
曽根さんは、帰って行った。

「何だか親密な話をしていたところに、悪かったね」
「い、いえ、仕事の話でしたから・・・」
社長に悟られなくない、その気持ちが、顔が赤くなるほど、緊張で体が熱くなった。
「そう、仕事の話か。顔が赤いから告白されたのかと思ったよ」
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