愛するあなたへ〜blue roseを私にください
観ていたけど、もしかして今日は・・・そう思うとストーリーが頭に入ってこなかった。

「そろそろ寝る?春花、ベッドこっちだよ」
翔さんに連れられて、私は、覚悟を決めてベッドに入った。
今日で体も翔さんのものになるんだ。
そう思うと緊張と嬉しさでどきどきしていた。
翔さんは私の頭をずっと撫でていたけど、しばらくすると
「明日は休みだから、ゆっくり起きたらいいよ。おやすみ」
額にキスをして、部屋を出ていってしまった。

「んっ?」
気になって、ドアを少し開けると、ソファで、パソコンを開いて仕事をしていた。
「翔さん、私よりも仕事の方が気になるんだ・・・」
ベッドに戻り、寂しいけど、仕事の邪魔をしてはいけないと言い聞かせて、翔さんの香りがするベッドで、そのまま眠ってしまった。

初めて過ごす休日、翔さんは部屋を歩いていてすれ違う時や、キッチンに居る時に、時々突然抱きついてくる。
「家に春花がいるっていいね」
ぎゅっと子供のように抱きつかれて、普段凜とした翔さんとのギャップに、これが母性というのかも知れないけど、とても愛くるしく感じた。

昼から買い物に行き、一緒にご飯を作って、2人でのんびりと過ごすひとときに、幸せを味わって、1日が終わった。

夜も更けて、ベッドに行こうとした時、翔さんがパソコンを開いて、仕事をし始めた。
「翔さん・・・」
「先に寝てていいよ。俺はもう少し仕事するから」
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