愛するあなたへ〜blue roseを私にください
【愛する人達を守るには】
秋を感じる季節、今度の土曜日、朝にこっちに帰ってきて欲しいと実家から電話があった。
「翔さん、実家から帰って来るようにと連絡があったんです。土曜日の朝から行って、日曜日に帰って来ますね」
「うん、ゆっくりしておいで。近いうちに挨拶にも行かないとね」

こんな素敵な人が彼氏だと紹介したら、お父さんもお母さんもびっくりするだろうなぁ。
驚いた顔を想像すると、吹き出しそうになった。
「どうしたの?」
「いえ、その時は宜しくお願いします」
幸せ一杯で、わくわくするばかりだった。
まさか、その日が来なくなるような事態になっていたなんて、思いもしなかったから。

「お父さん、お母さん、ただいま!」
2人は居間に座っていた。
そこにはもう1人、スーツを着た見知らぬ人が座っていた。
「すみません、来客中だと思わなかったものですから」
「いや、いいんだよ、春花、そこに座って」
お父さんが引きつった顔で、私に座るよう促した。
「こちらが、春花さんですか。これはとても清純そうなお方だ。あの方が気に入られるはずだ」

言っている意味が分からない。
私はお父さんとお母さんの顔を見るけど、目を合わしてくれなかった。
「詳しくは、お父さんから聞いてください。では、私は失礼します。春花さん、近々またお会いしましょう」
そう言って、その人は帰って行った。
「さっきの人が言ってたこと、どういうことなの?」
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