愛するあなたへ〜blue roseを私にください
すると、お母さんが泣き出し、お父さんも泣きそうな顔をしながら、話始めた。
「春花、実はな、工場の経営が上手くいかなくなるかもしれない」

どうして?小さくても、技術力があるからと、信頼があり、細々ながらも受注はあったはず。
何故、この数ヶ月でそんなことにまで、なったんだろう。
「お父さん、どうしてなの?」
「主要顧客の波月商事さんが、うちの製品はあまり評判が良くないし、価格も高いから、これから取引が難しくなるかもしれない、他にいい製品があるからそちらにしたいと言われたんだよ。相場としてはそんなに高くないし、製品には自信があったんだが、波月さんに言われると、どうしようもなくてな」
「急にまたどうして・・・」
「わからない。ただ、1つだけ条件があると。それができれば、今後のことは、さっき来ていた、田中さんが責任を持って、うちを支えてくれると言っているんだ」
「その条件って何なの?」
「それが・・・」
お父さんが言いにくそうに下を向いた。
「お父さん、はっきり言って」
実家の危機を見捨てるわけにはいかない。
「春花と波月商事のご子息のお見合いだ・・・」
「えっ?私がお見合い?」
「そうなんだよ。波月商事の息子さんが、工場に来た時に、春花と挨拶をしたこともあるんだ。その時に一目で気に入ったらしい。実は同じ大学だったようで、よく見かけたそうだ」
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