愛するあなたへ〜blue roseを私にください
「珍しい。よっぽど急だったんだ」
あまり気にせず、明日は翔さんの家に行かせてもらい、土曜日の朝から片付けをしようと考えていた。
新しい部屋着を買って行こうと、今日は早めに会社を出た。
「これ、可愛い」
夜、その部屋着を着ているのを想像すると、その後のことまで想像してしまい、顔が赤くなった。
「最近、ぎゅっとしてもらってないなぁ・・・」
そう思いながら、どこかで食事をしようと、繁華街を歩いていた。

「あれは・・・翔さん?」
前方にあるレストランから出て来た男性の、一瞬見えた顔が翔さんに似ていた。
その人は、スタイルのいい女性と話をしていた。
女性で隠れてはっきりと顔が見えなかったけど、女性が男性に抱きついた時、顔がはっきり見えた。
翔さんだ・・・
私が呆然と見ていると、翔さんが私に気がついたようだった。
「春花!」
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