愛するあなたへ〜blue roseを私にください
【blue roseはあなたからの言葉】
「さてと・・・」
しばらく「翔さん」と表示された携帯とにらめっこしていた。
「はぁーっ、怖い。でも、えいっ!」
私は通話ボタンを押した。
どきどきする。
コール音が鳴り続けた。
もしかして大切な顧客との打ち合わせかもしれない。
私は電話を切って、出なかった事に少しほっとしていた。

携帯を置こうとした時、携帯が鳴り、表示されている名前を見ると「翔さん」の名前だった。

鼓動が踊るように跳ね上がった。
「お仕事中に電話してすみません」
「どうした?」
「今日、お話できる時間、ありますか?」
「あぁ、いいよ・・・今日仕事で遅くなりそうなんだ。9時頃に家に来てもらえる?」
「・・・分かりました」
「じゃあ、また後で」

いつもは甘い声で優しい口調の翔さん。
淡々と話す翔さんの言葉に、胸が苦しくなる。
昨日あんな言い方したから当たり前なのに、やっぱり寂しい。
別れたら、社長と従業員の関係に戻るんだ・・・
「今日はもしかして、着替えとか持って帰らないといけなくなるかもしれない」
涙で視界がぼやける中、少し大きめの折りたたみバッグを入れた。
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