最大級の愛を君に
1
大嫌いな世界
「……ついてなさすぎ」
むかつくほど晴れた青空に、大きく放ったため息が目につく事なく消えていった。
……結構人生最大くらいの大きなため息だったんだけどな。
俺の存在だけじゃなく、ため息すらも否定された気がして、さらにこの世界が嫌いになった。
ただため息ついただけなのに大袈裟すぎじゃあないかって?
俺だって平日の昼間ってのに子供たちが集うこの街の少し大きな公園のベンチに、ヨレヨレの服にボサボサの髪、お風呂だって何日入ってないのか忘れたし、手入れのされてない靴なんか履いて座ってなかったらこんな絶望感にまみれた考えはしない。
物事には訳があるっていうだろ?
俺、羽柴桜介(はしばおうすけ)はそんな言い訳じみたことを自分の中の誰かにそう告げ、今まであったことを走馬灯のように思い出した。