最大級の愛を君に


何てさっきの走馬灯の続きを思い出し、ポストの中身を出そうとした時。



「お兄さんもしかして羽柴桜介くんか?」


ガラガラにしゃがれた声が聞こえた。



声が聞こえた方を見た途端、俺は血の気がサーッと引くのが分かった。


キラキラ輝くスキンヘッド。

ギラギラ輝く金色のアクセサリー。

派手な柄シャツに黒のパンツ。

見るからに治安の悪い物騒な顔つき。


似たような見た目の人がいち、にい、さん…4人もいる。


それにこっちにだんだん近づいてくる。


なんだ?なんで俺の名前を……


「この家です間違えねえっす」

「うわ、汚ねえガキだな。まじでこいつか?」


ついに目の前まで来て俺の横に長方形の紙をかざして見比べてる。


ジロジロ見られて不快な気分だ。


もしかして俺の写真……?


「…誰ですか、あんた達…」


振り絞って出た声が震えてる。


そりゃそうだ。そんな場面テレビの中のドラマでしか見た事ない。

これはいわゆる、借金取りってやつではないか?


取り立ててきてる輩によく似てる。

というかそのもの。

でもうちは、どんなにお金に困っても汚い金は借りないと母さんは言っていた。


だから絶対違う。


なのに。どうして俺の名前を………



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