いつかキミが消えたとしても
まさか自分の気持ちがバレていたんなて思っていなくて、舞は恥ずかしさにうつむいてしまった。


耳まで真っ赤だ。


「舞にとって青っちは王子様だもんね」


淳子が夢見る乙女のように目を輝かせ、両手を胸の前で組んで言った。


確かにそのとおりなんだけれど、なんとも答えようがなかった。


ただただ、恥ずかしくてうつむいている。


「私達応援するよ? あんたには悪いことしたって思ってるし」


恵美の言葉に舞は顔をあげた。


恵美の表情は真剣だ。


「本当に?」


「この期に及んで嘘なんてつかないでしょ。舞はもう友達なんだし」


恵美は少し照れくさそうに頬をかいて言う。


他の2人も頷いてくれた。


友達……。


友達がいて、大好きな人がいて。


それは舞の理想的な学生生活だった。


「あ、ありがとう……」


舞はぎこちなくそう言ったのだった。
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