いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

翌日も、舞は暗い気分で学校へと向かっていた。


カバンの中には母親が作ってくれたお弁当が入っている。


このお弁当もきっと、友人たちと食べればもっと美味しいんだろう。


そんなの、今の枚にとっては夢のまた夢だけれど。


今日はどんなラクガキをされているだろう。


教室の前までくると自然と足がすくんでしまう。


ここのところ机のラクガキは毎日だから、教室の前までくると動悸が激しくなってくる。


緊張して手のひらに汗が滲んでくる。


それでも入らないわけにはいかなくて、舞は勢いをつけて教室の戸を開いた。


ガラッと音がしても、誰も舞には注目しない。


舞は安堵しつつ自分の席へと向かう。


あれ?


ここ最近されていたラクガキがなくて、一瞬驚き、足を止める。


他になにかされたことがあるんじゃないかと軽快して、机の中も覗き込んだ。


しかしやはりなにもされていないようだ。
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