いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

初めての休日デートの日、青っちは黒いTシャツにジーンズという以前と同じ出で立ちでやってきた。


青っちの方も舞と同じで、あまり服のレパートリーがないのかもしれない。


「今日はどこへ行くの?」


家を出て青っちについて歩きながら質問をする。


「秘密」


青っちは振り向いて楽しそうに答えた。


その表情はイタズラを考えている子供のように可愛らしくて、舞の胸はキュンとした。


見た目でみんなから敬遠されてしまう青っちは、本当はこんなにも可愛い。


「青っちって見た目で損してるよね」


「え、なんで?」


本人は自覚がないようでキョトンとした表情になった。


「なんでもない」


舞は笑って答える。


やがて前方にバスのりばが見えてきた。


「今日もバスに乗っていくから」


「え、もしかしてまた遊園地じゃないよね?」
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