いつかキミが消えたとしても
そういうことか。


高校で転校してくるなんて珍しい上に男子ということで、あの3人組は注目しているようだ。


「それで、今日はラクガキなしってこと?」


舞はできるだけ小さな声で聞いた。


英介には悪いけれど、あまり会話をしているとそれをネタにされかねないのだ。


「そうみたいだ」


英介は舞と会話ができて嬉しいのか、頬が赤くなっている。


「そう」


舞は頷いてすぐに英介から視線を外した。


これ以上会話を続けていて英介に勘違いされても困る。


すぐに会話を打ち切った舞に名残惜しそうな視線を向けつつ、英介は自分の席へと戻ったのだった。
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