いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

次の登校日、C組の教室に入った舞を待ち構えていたのは3人組だった。


舞はあっという間に3人に取り囲まれて「休日デートはどこに言ったの?」「キスくらいはした?」「青っちの私服ってどんなの?」など質問責めにされた。


舞はキスの質問以外に答えながら、頭の中は透けていた青っちの手のことでいっぱいになっていた。


観覧車から下りた後は別段変わった様子はなかったけれど、たしかに青っちの手は透けていた。


そしてそのタイミングで青っちは青ざめて冷や汗をかいていたのだ。


「もっと聞かせてよ。ぼーっとしてどうしたの?」


恵美が舞の肩をつつく。


「うん……」


頷いてみても舞の心はここにあらずだ。


今日はまだ青っちは来ていなくて、視線は自然と青っちの席へと向かってしまう。


デートの後約束どおり家まで送ってくれた青っちだったけれど、体調は大丈夫だったんだろうか。


今日はちゃんと登校してくるだろうか。
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