いつかキミが消えたとしても
実際に今の舞は神様でも、なんでもいいからすがりつきたい気分だった。


静かな時間が1時間くらい過ぎたとき、ようやく処置室から青っちが出てきた。


青っちは舞の姿を見つけるとすぐに近づいてきた。


「なんかこのまま検査入院することになるみたいなんだ。もうすっかり元気なのになー」


青っちは困ったような苦笑いを浮かべ、力こぶを作ってみせた。


それはいつもどおりの青っちの様子で舞はようやく笑うことができた。


「そっか。検査入院ってどれくらい?」


「とりあえず3日間。もっと早くに原因がわかれば退院できるらしいけど」


「よかった」


舞は安心してその場に崩れ落ちてしまいそうになるのを、グッと両足に力を込めて耐えた。


とりあえず3日間。


それが長いのか短いのか舞にはわからないけれど、3日すれば青っちは戻ってくる。


「入院中はちゃんとお医者さんのいうこときかないとダメだよ?」


「わかってるって」


「トレーニングしてもいいかどうかも、先生に聞いてからだよ?」


「うん」


子供のようにあれこれ言われて青っちは照れたように頭をかいたのだった。
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