いつかキミが消えたとしても
透明病を発症して2週間目だと言う。


アマンダも動画の中で毎日筋肉トレーニングをしていて、弱っていく体をどうにか保とうとしている。


それでも筋力は落ちていくようで、前にできていたトレーニングが今はできなくなったと伝えていた。


「2週間で、そんなに変わるんだ」


舞は毎日アマンダの動画が更新されていないか確認して、その病気の進行具合をメモしていた。


本には悪化していく度合いには個人差がると書いてあり、具体的にはよくわからないままだったのだ。


だから、性別は違えど同じ17歳のアマンダの動画日記は参考になった。


『今日はあちこち透けていて、あまり起き上がることもできないの』


アマンダはそう言って、額に汗を浮かべながら透けている体を撮影した。


右腕。


ウエスト。


左の太もも。


それらが透けて、ベッドシーツが見えてしまっている。


『みんなお願い。私の顔を覚えていてね』


アマンダのその願いは、舞の胸に痛かった。
< 146 / 178 >

この作品をシェア

pagetop