いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

せっかく青っちが繋げてくれた3人との関係を悪くしてまで、私は一体なにをしているんだろう。


放課後、誰もいなくなった教室内で舞は1人立ち尽くしていた。


早く帰るなり、病院へ行くなりすればいいのに、どうしても動けない。


心が暗い底なし沼に沈んでしまったかのように重たくて、体も言うことをきいてくれない。


その内目の奥がジンッと熱くなって涙の膜が広がっていく。


こんなところで泣いてちゃいけない。


最近の私はずっと泣いてばかりだ。


泣きたいのはきっと青っちの方なのに、


青っちの涙はまだ、見ていなかった。


「舞?」


その声に振り向くと教室後方の出入り口に英介が立っていた。


英介は少しだけ気まずそうに視線を泳がせて「悩みがあるから、聞くけど?」と言ってくれた。


忘れていた。


ここにも青っちが繋げてくれた関係があったのだ。


舞は手の甲で涙をぬぐい「ありがとう。お願いできる?」と、聞いたのだった。
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