いつかキミが消えたとしても
さっきまで苦しそうな呼吸をしていた青っちが静かだ。


ハッと息を飲んでベッドを覗き込んで見ると、青っちは目を閉じていた。


それたただ眠っているだけに見える。


けれどその布団を剥ぎ取ったとき、入院着から出ている手足、顔のすべてが半透明になっていることに気がついたのだ。


さっきまでの苦しみが取れて安らかな寝顔の青っち。


それは病状が急激に悪化したことを物語っていた。


「青っち!」


舞は青っちにすがりつくようにいてナースコールを押す。


早く誰かに来てほしくてナースコールを何度も押す。


その時、青っちが目を開けた。


瞳の向こう側にある枕が透けて見えている。


舞の目にぶわりと涙が湧き上がった。


ここで泣いちゃいけない。


青っちは死んでなんかいないし、これから死ぬこともない。


わかっているのに……!!
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