いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

時間を忘れるまで遊んだのって、いつ以来だっけ?


気がつくと空はオレンジ色の夕日に包まれていて、そろそろ帰り始めないといけない時間になっていた。


ジェットコースターに射的に、メリーゴーランドに観覧車。


他にも沢山の乗り物にのることができたし、舞の持ってきた布製バッグは射的の景品でパンパンに膨らんでいた。


どれもこれも青っちが取ってくれたものばかりだ。


舞のためにと何度も射的に並ぶ青っちに、係員さんが青ざめてしまったほどだ。


「今日は楽しかった。さそってくれてありがとうね」


出口ゲートへ歩きながら舞は言う。


隣を歩く青っちとはしっかりと手が繋がれていた。


「俺も楽しかった。こっちこそありがとう」


そんな風に言われうとなんだか照れてしまう。


できればずっとこの時間が続いていけばいいな、なんて淡い思いを抱いてしまいそうになる。


だけど明日からはまた学校だ。


またいつもの毎日が始まる。


そんな中で舞が青っちに心を寄せるわけにはいかなかった。
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