いつかキミが消えたとしても
「こんなに近くなら、もっと会えてたかもしれないのにね」


思わずポツリと呟いた。


青っちが切なそうな表情になる。


「ごめん。俺、舞の家知ってたのに来なかった」


「別に青っちを攻めてるわけじゃないよ」


舞は慌てて顔の前で手を振った。


「俺、どうしても強くなりたかった。強くなってから舞に会いたいと思ってた」


「そうだったんだ」


青っちが自分のことを覚えていてくれていたことが、嬉しくてくすぐったい。


「じゃあ、青っちにとっては思惑どおりだったんだ?」


「そういうこと」


青っちは照れくさそうに笑って頭をかいた。


その仕草も昔となにも変わらない。


見た目が大きく変わっても、青っちは青っちだ。


「じゃあ、また学校でね。今日はありがとう!」


舞はそう言って手をふると、お土産でいっぱいに膨らんだバッグを持って家へと向かったのだった。
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