いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

その日母親の手作り肉じゃがを食べた舞は頬がとろけるような思いだった。


いくら料理が上達したとはいえ、まだまだ母親には届かないみたいだ。


そうして布団の中に入り込むと自然と頬が緩んでくる。


今日の1日の出来事、帰ってから食べた母親の手料理。


本当に明日もこんないい日になるんじゃないかと思えてくるほどだ。


しかし、朝起きて学校へ向かった時現実はそんなに簡単じゃないことを身にしみて理解することになった。


昇降口へ向かったとき、あの3人組が舞を待ち受けていたのだ。


「ちょっといい?」


質問しながらも、恵美の顔は笑っていないし否定を許さない声色をしていた。


舞は靴を履き替える暇もなく、3人に囲まれて、恵美には腕を掴まれて、校舎裏へと連れてこられてしまった。


その間に数人の生徒たちとすれ違ったけれど、みんな見て見ぬ振りを決め込んでいる。


面倒事には巻き込まれたくないのだ。


舞にもその気持はよくわかる。
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