いつかキミが消えたとしても
校舎裏は相変わらず人がいなくて、花のひとつも咲いていなくて寒々しい。


舞は後から肩を押されて思わず地面に膝をついてしまいそうになった。


寸前のところで体制を建て直して向き直る。


「あんた青木と付き合ってんの?」


恵美の言葉に舞は唖然として目を見開く。


どうしてそんな風な勘違いをさせてしまったのか。


一瞬にして昨日の遊園地デートのことを思い出していた。


まさか。


という思いで3人を見つめる。


体からどんどん血の気が引いていくのを感じる。


「昨日遊園地で見たんだけど」


淳子に言われて舞は息を飲んだ。


「嘘……」


思わず漏れた言葉に恵美が詰め寄ってくる。


舞は自然と後ずさりして、背中に壁がついてしまった。


「私達もあそこにいたから」


そう言われて、出口ゲート付近で視線を感じたことを思い出した。


あの時はなんてことない。


気のせいだと思ってやり過ごしてしまった。
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