いつかキミが消えたとしても
「今日はこっちで食べよう」


青っちに言われてついていった先はベランダだった。


最近は梅雨の影響でここで食べる生徒は少なかったが、今日みたいに天気のいい日はベランダに出る生徒も沢山いる。


しかし今日は残念ながら先客がいた。


恵美たち3人がすでにお弁当を広げていたのだ。


「残念だね青っち。今日は教室で食べよう」


そう言って教室内へ戻ろうとする舞の手を青っちが掴んで止めた。


「どうして? みんなで一緒に食べればいいだろ?」


舞は驚いて青っちを見つめる。


恵美たち3人も少し気まずそうな表情を浮かべていて、どう考えてもここでは食べないほうがいい。


それでも青っちは強引に舞を座らせてしまった。


その逆側に青っちが座る。


今舞の左隣には恵美がいて、右隣には青っちがいる状況だ。


な、なにこの状況……。


左に感じる威圧感に冷や汗が流れ出てくる。


こんな中でご飯なんて食べられるわけがない。
< 91 / 178 >

この作品をシェア

pagetop