いつかキミが消えたとしても
告白
それからは毎日のように5人でお昼ごはんを食べるようになった。


最初の頃は慣れなくて会話が途切れて青っちに助けを求めることが多かったけれど、梅雨が開ける時期になるとだんだんと打ち解けてきていた。


この3人組と自分が打ち解ける日が来るなんて夢にも思っていなくて、舞は時折自分の頬をつねって現実を確認するほどだった。


「そっか、舞はリクのファンなんだ」


芸能人トークになったとき、舞は好きな俳優の名前を出した。


するとそれに反応したのは淳子だった。


淳子もずっと前からリクという俳優のファンだったらしく、部屋にはリクグッズが溢れているらしい。


「淳子の部屋ってすごいんだよ。四面が全部リクのポスターで埋まってるんだから」


「そうそう。それにベッドに寝転んで見上げた時にリクと目が合うように、天井にも貼ってるの」


愛と恵美が交互に教えてくれる。


そこまで熱狂的なリクファンだとは知らずに舞は話を聞く。


「舞もなにかグッズ持ってる?」


「ううん。グッズはないけれどドラマや映画は見逃してないよ」


本当はグッズも欲しいけれどそんな贅沢はできない。


せめてアルバイトでもしていれば話しは別だけれど。
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