いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

「最近一緒にお昼食べないね?」


5時間目の授業が終わった後、舞は青っちの席まで来ていた。


ここ数日間青っちをご飯に誘っても断られている。


ずっと英介と一緒に食べているようなのだ。


「あぁ。もう俺の出番はないかと思って」


青っちは少し気まずそうに答える。


「なにそれ、出番はないってどういうこと?」


少し怒った声色になってしまって、舞は自分の気持を落ち着かせるため深呼吸をした。


「でも、もう俺がいなくてもあの3人と会話ができるだろう?」


穏やかな声でそう言われると、舞は黙り込んでしまった。


青っちの言う通りだった。


青っちがしょっちゅう話題をふってくれていたけれど、今では共通の話題もいくつか見つかり、会話が止まることも少なくなった。


会話が止まったとしても、以前ほど気まずい雰囲気が下りてくることもない。


舞たち4人はもう普通の友人になれていたのだ。


だから青っちは自分から距離を置き始めた。


それでも舞は納得いかなかった。
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