この恋は、『悪』くない。
『15歳の記憶』
コレは『恋』ですか?
「キャー、キャハハハ…」
「ウケる!ソレ!」
「うぜーわ、オマエ!」
「いいじゃん、別に…」
「キャハハハハ…」
苦手…
クラスのヤンキー集団
なにが楽しくて笑ってるのか
私にはわからない
地味に本読んでる私には
あーやって男子と喋るとか
異次元に近い
毎日が異次元な
あの人たち
毎日パーティーしてるように
私には見える
私とは
住む世界が違うんだ
「キャハハハ…」
「ギャハハハハ…」
中学3年
受験生
2学期の教室
うるさくて
読みたい本に集中できない
あ…
睨まれた
長い前髪の下に見える目と
目が合った
私、何かしましたか?
ただ自分の席で本を読んでるだけですけど…
ヤンキーグループの中心
楢崎 晴輝(ならさき はるき)
「オマエら、ちょっとうるせーよ」
え…
こっち見てんじゃねーよって
私が怒鳴られると思ったのに…
「あ、晴輝なに?
また彼女とケンカしたの?」
「彼女じゃねーし…」
「例の年上の?」
「もぉやったん?」
「だから、彼女じゃねーし…」
「照れちゃって…」
「キャハハハハ…」
「かわい♡はるき」
「ギャハハハハ…」
「うるせーから!ちょっと静かにしろよ!」
あ、また睨まれた
私、何もしてないのに…
え、私の方に来た
八つ当たりとか?
私
殴られる???
目をギュッて閉じた瞬間
え…
私の横を風が通った
目を開けたら
楢崎くんはいなかった
「あ、晴輝ブチギレた」
「どこ行った?」
「次の時間、数学だからサボりたいだけでしょ」
「それにしても、モテる男はいいよな」
「先輩とか憧れる」
「晴輝かっこいいもん♡」
「オマエもアイツ好きなん?」
「好きっていうか誰が見てもイケメンじゃん」
「晴輝が付き合ってくれるなら付き合うよ」
「私も〜♡」
「私も〜♡」
「は?みんな晴輝好きじゃん!」
「オレも♡」
「ヤバ…」
「キャハハハ…」
「ギャハハハハ…」
「だって普段無口だけど優しいし…」
「笑うと結構かわいいしな、アイツ♡」
「ヤバ、オマエ」
「本気じゃん!」
「ギャハハハ…」
「キャー♡」
へー…
私は
いつも睨まれるけど…
「晴輝に告られて断わるやつなんか
絶対いねーよな」
「うん、うん…」
へー…
そーなんだ
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