この恋は、『悪』くない。

今日は樽崎くんに

言わなきゃいけないことがある



樽崎くん

驚くかな?



どんな反応するか

想像できない



「ただいまー」



「沙和、おかえり」



「え!!!」



「沙和、そんな驚かなくても…」



「だって…」



樽崎くんが髪を切ってた

朝まで結んでたのに



私と付き合った時

切ってくれたよね



あれ以来切ってなかったもんね



「ん?またなんかあったの?」



樽崎くんが

髪を切る時は

なんかある時なんだって



「親父の命日だったから、墓行ってきた」



「じゃあ、私も誘ってほしかった」



「うん、近いうちにまた行くよ」



近いうちに?



「あのね…樽崎くん…」
「沙和…あのさ…」



同時に声が出た



「やっぱ後でいいや…」



「うん、私も…
ご飯、すぐ用意するね」



「オレも手伝う」



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