この恋は、『悪』くない。

涙が止まらない私を

樽崎くんが

そっと抱きしめてくれた



いつもの匂いで安心する



強張ってる背中を

樽崎くんの手が

優しく撫でてくれる



私が待っていた

大好きな手



「んーーー…」



優しすぎて

どんどん涙が溢れてくる



「沙和…いいよ…

落ち着いたら
ゆっくり話して…」



樽崎くんは優しいのに

なんでかな…?



なんか

こわいんだよ



「…ぅん…


樽崎くんが、今日、なんか
いつもと違って
不安だったよ…

ご飯の時も
ちょっと、違ったし…

なんか、上の空だし…

好きなテレビ見るの忘れてるし…

今日は、私に、なかなか、
触れてくれなかったし…

甘えてもくれなかった…

占いとか、結婚線とか、
結婚とか…
変なこと言うし…」



「オイ…
それは、変なことじゃねーだろ」



「んーーー…」



嬉しいはずなのに

こわくて



不安



涙が止まらない



「沙和…こわい…?

ごめん、沙和…
不安だよな…
心配だよな…
驚かせて、ごめん


オレ、どんなことでも受け止めるから…

だから…話してよ」



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