この恋は、『悪』くない。
出した『答』え
「沙和、この前は、ごめんね
彼氏優先して…」
「んーん…ぜんぜんいいよ」
私は誰かと交際してる時も
友達が優先だったな
それで別れたこともあった
好きだって言われて付き合って
私はホントに好きだったかな?
相手を傷付けないための
Yesは
すぐに綻びが出て
いつも長く続かなかった
「今日行かない?
この前言ってた新しくできた店」
「うん、私は大丈夫だよ
今日は彼氏、大丈夫なの?」
「うん、出張中だから…」
「じゃあ、行こっか」
「なになに?
オレも誘われた?」
後ろから森谷さんの声がした
「森谷さんは誘ってません
ラーメン屋じゃないので!」
同期が答えた
「たまには
ラーメンじゃないのもいいかな…って」
「じゃあ…来ますか?」
「なに?不服そうじゃん
澤村さんは?
オレが行ってもいいの?」
森谷さん
きっと私に気を使って聞いてくれてる
ちょっと
気不味いけど
私、ひとりじゃないし…
「…はい」
まだ
森谷さんに返事できてない
「じゃー、3人で予約しといてよ
あ、割り勘だからね!
オレ、ラーメン以外はおごらないから」
森谷さん
待ってるよね…
返事
「わかりましたー」
「じゃ、仕事に励むか」
返事は…
なんとなく
もぉ決まってる
「森谷さんて、カッコいいのに
話しやすくて、いい人なのに
彼女、いないのかな…?
いないか…
ラーメンが恋人みたいな人だもんね」
同期が小声で言った
うん
いい人だよね
なのに私は
迷ってる
何を
迷ってるの?