【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
○最後のチャンス


「……わたしね、赤ちゃん、産むことにした」

「え、本当か……?」

 そう告げた時の夫の表情は、少しだけホッとしたようにも見えた。

「……うん、 わたしね、今日の朝まで姉の所にいたの」

「え?」

「それで、姉と少し話したの」

 わたしがそう告げると、夫は「そっか」とだけ答えた。

「……姉は、赤ちゃんの顔見たいって言ってくれたの。それでわたし、気付いたの」

「気付いたって……?」

 陽花は、何を気付いたんだ……?

「この子は……色んな人から産まれてくることを祝福されている子なんだなって、初めて気付いた」

 わたしは夫にそう告げると、再び「だからわたし、この子は守りたい。……何があったとしても、この子だけは必ず産みたいと思ってる」と言葉を続けた。

「……陽花、俺も産んでほしい。俺の大切な人の子なんだ、だから産んでほしい」

「……うん」

 深く頷いたわたしの手を、夫は箸を置いて握りしめてきた。
 
「陽花……。俺たち、もう一度やり直せないか?」

「……え?」

 やり直す……? わたしと千洋は……まだやり直せると思う?
 わたしにも、そんなこと分からない……。
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