【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


「ごめん、陽花が離婚したいって思ってることは分かってるんだ。……離婚するつもりで、俺は離婚届にサインもしたんだ」

 そう言って夫は、椅子の下からサイン済みの離婚届をテーブルに置いた。  

「……なんで」

 あれだけ離婚したくないって、言ってたのに……。

「これが陽花の答えなら、仕方ないって思ったんだ。……俺は陽花のことを愛してるから、陽花が幸せになるためなら仕方ないって、そう思った」

 そう言われた時、わたしはなぜか胸が痛んだ。
ズキズキと音を立てて、鼓動が鳴った。

「陽花のことを今でも愛してるし、ずっとそばにいたいって思ってる。……だけど俺じゃ、陽花のことを傷付けてしまうだけ。幸せにしてやれないかもと思った」

「……千洋」

 夫の気持ちを聞いたわたしは、そこから何も答えられなかった。
 なんて言えばいいのか分からなくて、口が開けなかった。

「だけどやっぱり……俺には陽花が必要なんだ。陽花がいないと、俺はダメ人間だ。陽花がいないと何も出来ないし、陽花がいないと悲しくて仕方ないんだ。……だから頼む、俺ともう一度やり直してくれないか?」
< 102 / 139 >

この作品をシェア

pagetop