【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
その感じはまるで、新婚の頃みたいな甘酸っぱい気持ちにさせられた。
あんなにも憎くて仕方なかった夫なのに、あんなにも離婚したくて、仕方なかったのに。……なのになぜ今になって、こんな気持ちになるのだろう。
あの頃の大好きな気持ちが、蘇ってしまう気がした。
そして夫に、愛されていると思えた。
「不思議だね……」
人って変われるものなんだって、改めて感じる。
「ただいま、陽花」
「おかえりなさい」
夫とこうして顔を見ながら話すのは、なぜだか緊張する。
だけど少しだけ、今回のことでお互いに分かり合えたような気がしていた。
「なぁ、陽花」
「何?」
「俺も今度……一緒に病院に行ってもいいかな?」
夕飯を食べている時、夫からそんな言葉をかけられた。
「……え?」
いきなりそんなことを言われるなんて想像もしてなかったわたしは、驚いた。
「俺も見てみたいんだ……。俺たちの赤ちゃん」
「……うん、もちろん」
この子の父親は夫だ。夫にも子供のことを知る権利はあるから。
だから夫にも、見せてあげたいと思う。
「ありがとう、陽花」
わたしはその言葉に、うんと頷いてみせた。