【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


「……可愛いに、決まってるじゃない」

 夫はずっと子供がほしかったから、今とても嬉しいのだと思う。

「俺、嬉しいよ。……子供が出来たこともそうだし、こうして二人で子供のことを考えられるようになったことも、すごく嬉しいよ」

「……そっか」

 こんなに嬉しそうな夫の顔を見ることが出来るなんて、想像もしてなかった。

「陽花、産んでくれると言ってくれて、本当にありがとう」

「……うん」

 家族になりたい。幸せになりたい。そんな当たり前のことを思っているのは、夫だけじゃない。
 わたしだって……ずっと思ってた。

「さ、帰ろうか……陽花」

「……うん」

 わたしはモコモコのコートを羽織り、身体を冷やさぬようにコートのボタンを閉める。

「陽花、これカイロ代わりに持ってろよ」

「え?」

 夫がくれたのは、温かい缶のココアだった。

「温かいし、カイロ代わりになるだろ?」

「……うん、ありがとう」

 わたしはその缶を受け取ると、それを両手で握りしめた。

「……温かい」

「しかし……外は寒いな、陽花。早く帰って温まろう」

「……うん」
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